アカゲラ
(英名Great Spotted Woodpecker)Great Spotted Woodpecker
主に戦場ヶ原・赤沼エリア、湯元休暇村付近の撮影が多い。アカゲラの交尾撮影は湯滝付近の森林地帯
漢字表記(赤啄木鳥)日本では北海道に亜種エゾアカゲラが、本州、四国に亜種アカゲラが留鳥として周年生息する。四国での生息数はきわめて少ない。九州以南には分布しない。亜高山帯まで(寒冷地では低地に生息する)の落葉広葉樹林や針葉樹林、混交林などに生息する。単独もしくはペアで生活する。高緯度に分布する個体群は冬季になると不規則に南下することはあるが、基本的に渡りをしない。
食性は雑食で、主に昆虫、クモ、多足類を食べるが果実、種子なども食べる。主に樹幹で採食を行う。主に枯れ木の幹に、くちばしで入口直径4cm、深さ30-45cmの穴を開けた巣に[2]、日本では5-7月に4-6個の卵を産む。鳴き声は、キョッ、キョッ。
オオアカゲラ
(英名White-backed Woodpecker)White-backed Woodpecker
湯滝に近い樹林帯で古い巨木の朽ち果てた切株に20以上の穴をあけていた。いつもこの辺りに出没しているようだ。
漢字表記(大赤啄木鳥)全長28cm (25-30cm)、翼開長49cm。和名はアカゲラよりも大型であることに由来する。上面は黒い羽毛で覆われ、白い横縞状になる。体側面には黒い縦縞が入る。腹部や尾羽基部の下面(下尾筒)はやや赤味がかかる。食性は雑食で、昆虫(甲虫類の幼虫)、節足動物、陸棲の貝類、果実、種子などを食べる。樹上で採食を行うが、冬季になると地表で採食を行うこともある。繁殖には主に昆虫を食べ、雛にも昆虫を与える。冬季になると主に果実や種子を食べる。鳴き声は、キョッ、キョッ。ドラミング音はアカゲラよりも大きい。
アオゲラ
(英名Japanese Green Woodpecker)Japanese Green Woodpecker
アオゲラは中禅寺金谷ホテル附近で良く見かける。春先はピヨーッ、ピョーッと長く鳴いてくれるので居場所や移動先がよく判る。
漢字表記(緑啄木鳥)日本だけに留鳥として生息する固有種である。全長29cm (29-30cm)、体重120-138g。体上面や尾羽、翼は黄緑色の羽毛で覆われ、和名(緑も含めた古い意味での青)の由来になっている。腹部には横のギザギザの縞模様が有る。平地から山地にかけての森林に生息する。あまり季節の移動しないが、亜種アオゲラは住宅地などでも観察される。食性は動物食傾向の強い雑食で、主に幹や枝で昆虫類を採食するが、果実も食べる。樹上でも地表でも採食を行い、地上でアリも採餌する。鳴き声は、キョッキョッ。飛翔時にケレケレケレと鳴くこともある。繁殖期には口笛のようなピョーッ ピョーッという声も発する。
コゲラ
(英名)
ヒレンジャク
(英名Japanese Waxwing) B. japonica
霧の朝の撮影でやっと居ましたという証拠写真でしかないが、キレンジャクもヒレンジャクにも出遭えるという事。
北半球の寒帯の鳥。越冬地は日本のほか、サハリン、朝鮮半島、中国南部、台湾などだが、年によって飛来数が極めて不規則であり、まったく観察されない年があったり、越冬地でも一年を通してみられることもある。日本では沖縄県中部より北の地域に、11月から5月にかけて滞在する。東日本に多いキレンジャクに対して、ヒレンジャクは西日本に多く渡来し、北海道ではほとんど見られない。主に果実類、ネズミモチ、イボタノキ、ニシキギ、ヤドリギ、ノイバラ、ヤツデなどを食するが、繁殖期である夏の間は昆虫食である。ヒレンジャクは基本的に数羽から数十羽の群れで行動するが、稀に100羽以上の大群となることもある。また、しばしばキレンジャクとの混群もみられる。鳴き声は甲高く「ヒーヒー」「チリチリ」などと鳴くが、囀りはない。
キレンジャク
(英名Bohemian Waxwing)B. garrulus
キレンジャクは毎年5月上旬戦場ヶ原で確認できた。しかし北海道などと違って樹木が多いため撮影に関しては満足いく画像が撮れていない。2~30羽の群れで移動していた。
全長約19.5cm。体はおもに赤みのある灰褐色で、頭部には冠羽がある。次列風切羽の先端部に、赤い蝋状の突起物があるのが特徴である。これは羽軸の先端と外弁の一部が変化したものとみられており、ヒレンジャクにはないが、キレンジャクのほかヒメレンジャクにも見られる。この蝋状の物質がレンジャク科の英名「ワックスウィング」(Waxwing) の由来である。北半球の寒帯に広く繁殖分布し、日本では冬鳥として見られるが、本州中部以北に多い。木の実を求めてどの程度南下するかは途中の木の実の量に影響され、またその年の木の実の豊凶によって繁殖数が変動する。
キビタキ
(英名Narcissus Flycatcher)Narcissus Flycatcher
日光東大植物園でも戦場ヶ原でも出遭える春先の常連野鳥。他のヒタキ類などとの同時撮影も可能。
サハリンから日本列島全土とその近隣、中国の一部地域で繁殖し、冬期はフィリピンやボルネオなどの東南アジアへ渡り越冬する。山地の明るい雑木林に住み、昆虫類、節足動物等を捕食する。時々空中捕食や地上採食もする。
「ピッコロロ、ピッコロロ」と美しい声で鳴く。さえずりには多くの種類があり、生息地域によっても異なる。また、キビタキの囀声は大変に変化に富んでおり、時には「オーシツクツク」とまるでセミのツクツクボウシの鳴声とそっくりな囀りをすることがある。他の鳥類の声を真似ることもある。
ルリビタキ
(英名Red-flanked bluetail) Red-flanked bluetail
夏季はユーラシア大陸の亜寒帯やヒマラヤ山脈で繁殖し、冬季はユーラシア大陸南部で越冬するタイプの野鳥。
日本では基亜種が夏季に本州中部以北、四国で繁殖し、冬季になると本州中部以南で越冬(留鳥)する。
全長14cm。体側面はオレンジ色の羽毛で覆われ、英名(flanked=脇腹、側面)の由来になっている。
腹面の羽毛は白い。尾羽の羽毛は青い。瑠璃色のオオルリ、コルリと一緒に日本の青い鳥の代表。
オスの成鳥は頭部から上面にかけての青い羽毛で覆われる。幼鳥やメスの成鳥は上面の羽毛は緑褐色。
オスの幼鳥はメスの成鳥に比べて翼が青みがかり、体側面や尾羽の色味が強い。
森林に生息する。群れは形成せず、単独で生活する。食性は雑食で、昆虫類、節足動物、果実などを食べる。地表や樹上を移動しながら獲物を捕食する。
ミソサザイ
(英名Eurasian Wren) Eurasian Wren
湯川で一発でその居場所が判る美声が印象的。とにかく小さいが目で探すより耳で探すウグイスと同じタイプの野鳥。
日本では留鳥として、大隅諸島以北に周年生息している。亜高山帯~高山帯で繁殖するとされているが、亜高山帯には属さない宮崎県の御池野鳥の森では繁殖期にも観察されており、繁殖していると思われる。日本の野鳥の中でも、キクイタダキと共に最小種のひとつ。常に短い尾羽を立てて、上下左右に小刻みに震わせている。属名、種小名troglodytesは「岩の割れ目に住むもの」を意味する。茂った薄暗い森林の中に生息し、特に渓流の近辺に多い。単独か番いで生活し、群れを形成することはない。繁殖期以外は単独で生活する。食性は動物食で、昆虫、クモ類を食べる。
ノビタキ
(英名African Stonechat)African Stonechat
もう戦場ヶ原の主と言って良いだろう。これだけを撮影に来る人が毎年いるほど。
夏鳥として、本州中部以北に渡来し繁殖する。本州中部以南では春秋の渡りの時期に見られる。八重山諸島では少数が越冬している。体長約13cm。成鳥雄の夏羽は、頭部や喉、背中、翼、尾が黒く、頸の両側と腹部は白い。胸は澄色で腰は白く、翼に白斑がある。成鳥雌の夏羽は、上面が黄褐色で下面は淡い澄黄色、腹部はやや白みがかっている。腰は淡い澄色で、翼に白斑がある雄よりも小さい。冬羽では雄雌とも全身が澄黄色がかってくるが、雄の頭部や喉は黒褐色である。北海道では平地の草原、本州では高原に生息する。秋の渡りの時期は、平地でもよく観察される。
草の穂先や灌木などにとまっては移動を繰り返しながら、主に昆虫類を捕食する。「ヒーチュ ヒチー」、「チー ピーチョチー」などの声でさえずる。地鳴きは「ヒッ」、「ジャッ ジャッ」など。
オオルリ
(英名Blue-and-White Flycatcher)Blue-and-White Flycatcher
日光東大植物園では草地に降りて採餌したり低木に留まる事が多い。囀りは木のてっぺんだとばかり思っていたら普通の枝でも盛んに囀る。谷川からの高さが有ればてっぺんで鳴くとは限らないようだ。
夏鳥として渡来・繁殖し、冬季は東南アジアで越冬する。高い木の上で朗らかにさえずる。姿も囀りも美しい。全長が約16 cm、翼開長が約27 cm。雄の背中は尾も含め光沢のある青で、尾の基部には左右に白斑がある。喉、顔は黒で腹は白い。雌は頭から尾にかけて背面が茶褐色で、喉と腹は白い。胸と脇が褐色。 また、雄が美しい色彩になるには2 - 3年を要すると考えられ、若鳥時代の雄の羽色は雌の羽色と似た茶褐色で、背面の一部と風切羽及び尾羽に青色が表れているだけである。コルリ、ルリビタキなど共に、「青い鳥」御三家の一つである。日本三鳴鳥のひとつ(他はウグイスとコマドリ)
アカハラ
(英名Brown-headed thrush)Brown-headed thrush
西日本、九州ではあまり見ないが日光周辺ではシロハラより多いと思われる。
漢字表記(赤腹)古くは、茶鶫(チャジナイ)と呼ばれていた。中華人民共和国南部、台湾、日本、フィリピン北部夏季に日本で繁殖し、冬季になると中華人民共和国南部や日本、フィリピン北部へ南下し越冬する。日本では繁殖のため本州中部以北に飛来(夏鳥)し、冬季になると本州中部以西で越冬(冬鳥)する。全長23.5 - 24cm。胸部から腹部側面にかけてオレンジ色の羽毛で覆われ、和名の由来になっている。腹部中央部から尾羽基部の下面(下尾筒)にかけて白い羽毛で覆われる。頭部は暗褐色の羽毛で覆われ、顔や喉は黒ずむ。上嘴の色彩は黒く、下嘴の色彩は黄色みを帯びたオレンジ色。後肢の色彩は黄色みを帯びたオレンジ色。メスは喉が白い個体が多い。平地から山地にかけての森林に生息する。食性は動物食傾向の強い雑食で、主に昆虫類を食べるが果実も食べる。繁殖形態は卵生。山地の森林(北海道や東北地方では平地でも)に巣を作り卵を産む。
シロハラ
(英名Pale Thrush)Pale Thrush
日本ではほとんどが冬鳥で、本州以南の積雪のない低地で主に見られる。
日本で越冬するものは春になると北方の繁殖地に戻る。中国山地や対馬の御岳鳥類繁殖地(日本国指定の天然記念物)など。
なお、日本では鳥獣保護法により禁猟であり、捕えると処罰対象となる。森林の茂みの中にひそむことが多いが、都市部の公園や緑地帯などにも姿を現す。単独で行動し、地上をピョンピョンと跳ねて獲物を探す様子が見られる。熊本市内の江津湖での春先の囀りは見事。
食性は雑食で、ツグミと同様に地面に降りて昆虫やミミズなどの小動物を捕食するが、木の実もよく食べる。さえずりはアカハラに似るが冬はほとんど鳴かず、たまに小声で「キョッ キョッ」などと地鳴きをする程度である。
アオジ
(英名Black-faced bunting)Black-faced bunting
東京都内の公園の藪にも居るほど身近な野鳥だが、なかなか藪から出ないので画像は撮り難い。しかし春先は開けた所で盛んに囀る。
亜種アオジが北海道や本州中部以北で繁殖し、中部以西で越冬する。また少数ながら基亜種が越冬(冬鳥)や渡りの途中(旅鳥)のため、主に本州の日本海側や九州に飛来する。開けた森林や林縁に生息する。非繁殖期には藪地などにも生息する。非繁殖期には群れを形成することもあるが、単独でいることが多い。用心深い性質で、草むらの中などに身を潜める。植物の種子や昆虫類を食べる。地上で採食する。雄は繁殖期に縄張りをもち、高木の上などの高所でさえずる。
エナガ
(英名Long-tailed Tit)Long-tailed Tit
他の野鳥が多いので、エナガはあまり目立たない。しかし相変わらず群れで移動していく。
九州以北に留鳥として生息する。おもに林に生息するが、木の多い公園や街路樹の上などでもみることができる。
繁殖期は群れの中につがいで小さななわばりを持つ。非繁殖期も小さな群れをつくるが、シジュウカラ、メジロ、コゲラなどの違う種の小鳥と群れをつくることもある。また、非繁殖期にはねぐらをつくって小さなからだを寄せ合って集団で眠る習性がある。木の上で小さな昆虫類やクモを食べ、特にアブラムシを好む。また、草の種子なども食べる。樹木の枝や幹のまたに、苔をクモの糸でまとめた巣を作り、1腹7-12個の卵を産む。
ゴジュウカラ
(英名Wood nuthatch)Wood nuthatch
ゴジュウカラも非常に多い。他の野鳥には逢えなくともこれに出くわさない事はまず有り得ない。
寒帯と山岳地帯を除くユーラシアに広く分布する。生息地では基本的には留鳥で、渡りは行わない。日本には3亜種が周年生息する。九州から北海道にかけて分布するが、高地で繁殖した個体は冬季には低地に移動する。平地から山地にかけての落葉広葉樹林に生息する。木の幹に垂直にとまり、頭部を下にして幹を回りながら降りる習性がある(キツツキ類やキバシリは幹に垂直にとまることはできるが、体を逆さまにして降りることはできない)。食性は雑食で、昆虫類、節足動物、果実、種子などを食べる。夏季は昆虫類、冬季は種子等を主に食べる。樹皮の隙間にいる獲物を探したり、逆に樹皮の隙間に食物を蓄えることもある。繁殖形態は卵生。樹洞やキツツキの古巣に樹皮を敷き営巣する。巣穴の入り口や内壁、隙間に泥を塗る習性がある。
ヒガラ
(英名Coal tit)Coal tit
高山に多い野鳥だが標高1400mの戦場ヶ原ではコガラと同様数が多い。
亜種ヒガラ(学名:Periparus ater insularis)が北海道、本州、四国、九州(屋久島まで)に周年生息する(留鳥または漂鳥)スズメ(全長が約14 cm)よりも小さく、全長が約11 cm、翼開長が約17 cm。日本のカラ類の中では最小の種。平地、山地、亜高山帯の針葉樹林に生息する。冬季になると標高の低い場所へ移動する。秋季や冬季は群れを形成して生活し、コガラなどのシジュウカラ科の他種やキクイタダキなどと混群を形成することもある。
食性は雑食で、昆虫、クモ、果実、草木の種子などを食べる。樹木の枝先付近を動き回ることが多く、樹上で採食を行う。木の幹の隙間に種子などの食物を貯蔵することもある[8]。
ホオアカ
(英名Grey-headed bunting)Grey-headed bunting
季節が限られるが、湿原にノビタキとホオアカが入り混じる時期が有る。
夏季に北海道、本州北部の高地や平地、本州中部以南の高地で繁殖するとされていたが、近年、山口県では海岸近くの低地での繁殖が確認され、また秋吉台でも繁殖している。冬季は本州西部、四国、九州で越冬する(留鳥)。側頭部に赤褐色の斑紋があるのが和名の由来。腹面は白く、体側面には褐色の縦縞が入る。平地から山地の草原や河川敷、農耕地に生息する。非繁殖期には単独か小規模な群れを形成して生活する。食性は雑食で、昆虫類、節足動物、果実、種子等を食べる。主に地上で採餌する。
ホオジロ
(英名Meadow Bunting)Meadow Bunting
英語名に牧場のMEADOWが付くように農地・牧場には何処にでもいる野鳥。
種子島、屋久島から北海道まで分布し、身近な野鳥の一つである。基本的に長距離の渡りはしない留鳥だが、北海道などの寒冷地では夏鳥として渡来繁殖し、冬季は暖地や南方へ移動する[3]。成鳥は全長17 cmほどでスズメとほぼ同じ大きさだが、尾羽が長い分だけ大きくみえる。翼開長が約24 cm。成鳥の顔は喉・頬・眉斑が白く目立ち、「頬白」の和名はここに由来する。一方、頭・過眼線・顎線は褐色で、先の白色部と互い違いの帯模様のように見える。オスは過眼線が黒いが、メスは褐色なのでよく観察すると区別がつく。メスの方がオスよりも全体に色が淡い。平地や丘陵地の森林周辺、農耕地、草原、荒地、果樹園、河原など明るく開けた場所に生息する[3]。主に地上や低い樹上で活動し、丈の高い草の茂みに潜むことがあるが、高木の梢にはほとんど行かない。単独または数羽ほどの小さな群れで行動する。食性は雑食性で、繁殖期には昆虫類、秋から冬には植物の種子を食べる。
カケス
(英名Eurasian jay)Eurasian jay
オナガなどと同じカラスの仲間だが一番派手ないでたち。湯滝に近い森林地帯に多い。
九州以北で繁殖する留鳥で、北部に生息するものは冬季に南に移動する。日本においては全国の平地、山地の森林に生息する。繁殖期は縄張りを形成する。食性は雑食で昆虫類が主食だが果実、種子等も食べる。他の小鳥のひなを食べることもある。また信州・美濃地方では「カシドリ」の異名もありカシ、ナラ、クリの実を地面や樹皮の間等の一定の場所に蓄える習性がある。冬は木の実が主食となり、蓄えたそれらの実を食べて冬を越す。「ジェー、ジェー」としわがれた声で鳴く。英語名の『Jay』はこの鳴き声に由来する。
キバシリ
(英名Treecreeper)Treecreeper
湯滝に向かう湯川沿いの木道に沿った針葉樹の幹を見ると良く見つけられる。
北海道、本州、四国、九州の亜高山帯の針葉樹林に留鳥として生息する。繁殖地はやや局地的で、個体数は多くない。冬季はやや標高の低い場所に移動する。北海道では平地の林に生息するものもある。木の幹に住む小さな昆虫類やクモを主食としている。幹に尾をつけて体を支え、這うような姿勢で幹をらせん状に上下し、餌となる虫をあさる。木の割れ目や樹洞に、朽木の破片をクモの巣で繋いで椀状の巣を作る。非繁殖期にも単独、またはつがいで行動することが多いが、シジュウカラ等の他のカラ類の混群に混じっていることもある。
キクイタダキ
(英名Goldcrest)Goldcrest
一度だけ暗い針葉樹の樹木の中に居るのを撮影できた。これも居ましたという証拠程度。
北海道と本州中部以北(留鳥または漂鳥)で繁殖し、本州中部以南の西日本には一部が越冬のために飛来する。春と夏に亜高山帯から山地にかけての針葉樹林に生息し、秋に低地や暖地に移動し、冬に針葉樹の多い公園や里山などでも見られる。高山にも少数が生息する。非繁殖期には小群れで行動し、ヒガラなどのカラ類と混群することがある。針葉樹で忙しく動き回り、蛾の幼虫、昆虫、クモ類などを捕食する。ホバリングして枝先の虫を捕食することもある。水浴びをする以外は樹の上で生活し、小枝の間にハンモック状の巣を作る。鳴き声を片仮名表記すると「ツツツツティーツィツィ」に近い。
キセキレイ
(英名Grey Wagtail)M. cinerea
武蔵野の住宅街にも居るお馴染みさん。
国内は何処にでもいる留鳥。戦場ヶ原にもいる事はいるという程度。
コサメビタキ
(英名Asian brown flycatcher)Asian brown flycatcher
春先に囀っているのですぐに判る。
サメビタキより小柄なのでコサメビタキ。日本では基亜種が夏季に九州以北に繁殖のため飛来(夏鳥)する。平地から山地にかけての落葉広葉樹林に生息する。群れは形成せず、単独もしくはペアで生活する。食性は動物食で、昆虫などを食べる。樹先などに止まり、飛翔している獲物を目掛けて飛翔し捕食する。
オシドリ
(英名Mandarin duck)Mandarin duck
北海道や本州中部以北で繁殖し、冬季になると本州以南(主に西日本)へ南下し越冬する。
オスの嘴は赤く。繁殖期のオスは後頭(冠羽)、頬から頸部にかけての羽毛が伸長し、顔の羽衣が白や淡黄色。胸部の羽衣は紫で、頸部側面には白い筋模様が左右に2本ずつ入る。腹部の羽衣や尾羽基部の下面を被う羽毛は白い第1三列風切が銀杏状(思羽、銀杏羽)で、橙色。メスは嘴が灰黒色。非繁殖期のオス(エクリプス)やメスは全身の羽衣が灰褐色、眼の周囲から後頭にかけて白い筋模様が入る。また体側面に白い斑紋が入るが、オスのエクリプスでは不明瞭。足は橙色で指に水かきがある。
渓流、湖沼などに生息する。上高地周辺の水辺でも見られる。水辺の木陰を好み、開けた水面にはあまり出ない。木の枝に留まることもある。食性は植物食傾向の強い雑食で、水生植物、果実、種子、昆虫、陸棲の貝類などを食べる。陸上でも水面でも採食を行う。
ちなみに仲が良い夫婦を「おしどり夫婦」と呼ぶが、生物学的に、本物のオシドリは、冬ごとに毎年必ずパートナーをかえる。オシドリに限らずカモ科鳥類は、すべて、必ず毎年パートナーをかえ同じオスと二年以上過ごすことは絶対ない。
サメビタキ
(英名Siberian flycatcher)Siberian flycatcher
春先に囀っているのですぐに判る。
サンショウクイ
(英名Ashy minivet)Ashy minivet
腹が少し黒いリュウキュウサンショウクイとは異なって真っ白なお腹のサンショウクイ。西日本では目にする事は無いと思う。灌木の割に高い所を移動する。
夏季に日本、ロシア東部、朝鮮半島で繁殖し、冬季は東南アジアへ南下し越冬する。本種はサンショウクイ科でも最も北に分布し、唯一長距離の渡りを行う。日本では基亜種が夏季に繁殖のため本州以南に飛来(夏鳥)し、亜種リュウキュウサンショウクイが周年生息(留鳥)する。日本では平地から山地にかけての落葉広葉樹林に生息する。小規模な群れを形成して生活するが、秋季に渡りを行う前には大規模な群れを形成し最高で150羽にも達することもある。食性は動物食で、昆虫類、クモ等を食べる。獲物は樹上で捕食する。和名は鳴き声が日本語圏では「ヒリリー」と聞こえ、山椒を食べた(「山椒は小粒でもピリリと辛い」という諺がある)と連想されたことに由来する。本当に山椒の実を食すわけではない。
センダイムシクイ
(英名Eastern crowned willow warbler)Eastern crowned willow warbler
チョチョギースと聴こえる声ですぐに居場所が判る野鳥。枝の密度が高い灌木に沢山居るが撮影はなかなかし難い。
夏季に中華人民共和国北東部、日本、ロシア南東部、朝鮮半島で繁殖し、冬季になると東南アジアへ南下し越冬する。日本には繁殖のため九州以北に飛来(夏鳥)する。ムシクイ類は種毎の外部形態の差が極めて小さく、鳴声を別にすれば、野外識別の難しいグループである。本種は全長12.5cm。上面は淡い緑褐色で覆われる。落葉広葉樹林に生息する。群れは形成せず単独かペアで生活する。食性は動物食で、昆虫、節足動物などを食べる。樹上を徘徊しながら木の葉の裏にいる獲物を捕食する。
シジュウカラ
(英名Japanese Tit)Japanese Tit
日本では4亜種が留鳥として周年生息する。
市街地の公園や庭などを含む平地から山地の林、湿原などに生息する。通常は渡りを行わないが、寒冷地に分布する個体や食物が少ない時には渡りを行うこともある。非繁殖期の秋季から冬季には数羽から10数羽、ときに数十羽の群れとなり、シジュウカラ科の他種も含めた小規模な混群も形成する。さえずりは甲高いよく通る声で「ツィピーツィピーツィピー」などと繰り返す。食性は雑食で、果実、種子、昆虫やクモなどを食べる。地表でも樹上でも採食を行う。
ウグイス
(英名Japanese Nightingale)Japanese Bush Warbler
藪の中で飛び回るウグイスは実は通年で家の傍にも居るが、地鳴きでチャッチャッというだけなので、居るのに気が付かないだけ。奥日光では表へ出て大きな声で囀る。
「ホーホケキョ」と大きな声でさえずる。日本三鳴鳥の1つ。山梨県と福岡県の県鳥であり、日本の多数の市町村などの自治体指定の鳥である。ハワイ諸島にも分布するが、これは日本から移入されたものである。日本ではほぼ全国に分布する留鳥。ただし寒冷地の個体は冬季に暖地へ移動する。平地から高山帯のハイマツ帯に至るまで生息するように、環境適応能力は広い。笹の多い林下や藪を好むが、囀りの最中に開けた場所に姿を現すこともある。食性は雑食だが、夏場は主に小型の昆虫、幼虫、クモ類などを捕食し、冬場は植物の種子や木の実なども食べる。
シメ
(英名Hawfinch)Hawfinch
北海道や本州の中部以北で繁殖するほか、冬鳥として本州以南に渡来する。
全長約18cmで、スズメより大きくヒバリほどの大きさ。雄の成鳥は、頭の上部と耳羽が茶褐色、頸の後ろは灰色。嘴は鉛色、円錐で太く大きい。冬羽になると肌色になる。風切羽は青黒色、背中は暗褐色、尾も暗褐色で外側尾羽に白斑がある。目からくちばしの周りやのどにかけて黒色で、胸以下の体下面は淡い茶褐色。雌は雄より全体的に色が淡く、風切羽の一部が灰色。平地から山地の落葉広葉樹林や雑木林に生息する。また市街地の公園、人家の庭でも見ることができる。ムクノキ、エノキ、カエデなどの種子を主食とする。果肉の部分は摂取せず、太い嘴で硬い種子を割って中身を食べる。地鳴きは「チチッ」「ツイリリーッツー」。他のアトリ科の鳥と比べると鋭い声である。
ヤマガラ
(英名Varied tit)Varied tit
標高1,500メートル以下にある常緑広葉樹林や落葉広葉樹林に生息する。
標高1,000m以上の場所に生息する個体は、冬季になると標高の低い場所へ移動する。同科他種と混群を形成する事もある。食性は雑食で、昆虫、クモ、果実などを食べる。主に樹上で採食し夏季は主に動物質を、冬季は主に果実を食べる。堅い果実は後肢で挟み、嘴でこじ開けて中身を食べる。また樹皮などに果実を蓄える事(貯食)もある。
日本では、本種専用の「ヤマガラかご」を使い平安時代には飼育されていた文献が遺されている。学習能力が高いため芸を仕込む事もでき、覚えさせた芸は江戸時代に盛んに披露された。特におみくじを引かせる芸が多く、1980年ごろまでは神社の境内などの日本各地で見られた。しかし鳥獣保護法制定による捕獲の禁止などにより、これらの芸は次第に姿を消してゆき、現在]は失われてしまった。このような芸をさせるために種が特定され飼育されてきた歴史は日本のヤマガラ以外、世界に類例を見ない。
コガラ
(英名Willow tit)Willow tit
北海道、本州、四国、九州に周年生息する(留鳥)。
日本では本州以南では山地から亜高山帯の森林内に生息し、北海道では平地でも見られる。食性は雑食で、昆虫類、節足動物、果実等を食べる。固い果実でもこじ開けて食べることができる。
ビンズイ
(英名Olive-backed Pipit)Olive-backed Pipit
漂鳥または夏鳥として四国以北の山地で繁殖し、冬は暖地に移動する。
西日本での繁殖は局地的である。北海道や本州北部では平地でも繁殖する。繁殖期は、低山から亜高山の林、林縁、木の疎らに生えた草原などに生息する。非繁殖期は低地の松林で観察されることが多い。繁殖期は縄張りを形成する。非繁殖期は小群で生活する。
繁殖期の主食は昆虫類やクモ類で、非繁殖期は植物の種子などが主食になる。主に地上で採食する。タヒバリにも似るが、眼の後方に薄い褐色の斑、その下方に黒斑があることで見分けられる。地鳴きも異なる。
ニホンリス
(英名Japanese Squirrel)Japanese Squirrel
戦場ヶ原の樹林帯に数多くいる。
ニホンザル
(英名Japanese monkey)Japanese monkey
日光東大植物園で撮影。