網干し竿物語 その1
球磨川本流では数多くの川魚漁師がいくつかの方法で豊富な川魚を捕えている。これらは人吉を中心とした温泉旅館などでの重要な郷土料理の食材になると共に、全国に出荷される球磨川流域の自然の恵みの一つとなっている。この竹竿はその一つ刺し網を干すプロの道具の一つ。毎年アユの解禁の時期6月から主に年末12月末までこの干し竿が設置され、毎朝8時過ぎまでは漁師さんが作業しているもののそれを過ぎるとまず人は寄り付かない。それを知ってか、8時過ぎに車の中から観察しているとヤマセミが翼を休めに、あるいは浅瀬へのダイブポイントに活用しているのが視て取れる。車の中から一歩外へ出るとヤマセミは気配を感じて逃げてしまう。2011年の11月から観察を行っていて今回非常に面白い一部始終を収録出来たので掲載する事にした。鳥類学者ではないのでこの行動の裏に何が有るのかはっきりしていないが、勇猛果敢で攻撃的なヤマセミの普段目にする事のない間の抜けたオスとメスのあまりの違いの面白さに体を揺すって笑ってしまった。事の始まりは、このつがいのオスがご覧のとおり餌をゲットして竹竿に戻ってくるところから始まる。小振りな餌だがメスの方は余裕で「アンタにしては上出来ね?」というような目つきで観ている。