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● ヤマセミと人間との共生-1

 球磨川・川辺川流域のヤマセミは生息エリアが人間の生活空間と重なっている部分が他の地域に比べて遥かに多いという特徴がある。特にダイブによる採餌行動は球磨川本流の川幅が非常に広い事(150~200m)からホバリングを多用する事と、このように橋などの人工建造物から餌を狙う、あるいは羽根休めをする事が多い。この辺りは他の地域の様な山奥の神秘的存在としてのヤマセミのイメージとは相当異なると思う。猛禽類からの攻撃、餌の横取り攻撃等から身を隠す場所が少ない開けた場所での生活は、より攻撃的で強力な飛翔力を発達させたのだと想像する。直線距離でこれほど人間とヤマセミが接近する場所は他には無いのでは? 別ページでも紹介の通り、土手で散歩中の人々との距離も50m 以下に接近する事は無いにしても、人の姿を視ただけでは目が合わない限りいきなり逃げるような事はない。