Journey
人生は旅であるという言葉が心にしみる.....
2011年は年間延べ18日間人吉に滞在、撮影を行った。その18日間で雨天は2日のみ、ほとんどが良い条件で撮影できた。2012年は3か月を除いた9か月間に合計40日滞在、その内雨天日は3日、しかし終日雨で撮影できなかった日は一度もなく、少なくとも2~3時間は撮影可能な状態だった。
これは毎回初日にお参りをする赤い繊月橋にほど近い矢黒神社のご利益と思っている。今年2013年は既に春先の繁殖期を中心に30日ほど撮影しているが御利益は健在で交尾に4回も出遭えた。
Observation
観察・分析は、現場観察と撮影画像で行う事にしている.....
ヤマセミの撮影を始めたのが2010年4月1日エイプリル・フールの日。球磨川土手の道路に車を止めて川を横断する架線に留まっているハトほどの大きさの野鳥を視て「???」。カワセミに発音が似ているので、当然ヤマセミもカワセミと同じ大きさという勝手な先入観が有った。20秒ほど脳が活性化して「ハッ!」として、これが探し求めていたヤマセミなのか?「嘘だろー?マジかよ?」と思いつつレンズを向けたがピントが
合わない。何故だ!どうなっているのだ?と良く考えたら車のエンジンを切っていなかった。午後5時45分、日没直後の暗さを500mmf5.6で撮るには車の窓枠で固定でもしなければブレてしまう。ヤマセミ観察・撮影の最初がこれだった。
それ以降毎年観察の質とレベルが変化して、ヤマセミになったつもりで行動を予測し観察のテーマを毎回人吉に赴く前に決め込むことに努力した。野鳥や飛行機のたぐいは飛んでいてこそ、その美しさが際立つと思っているので観察の折幾度も球磨川を飛び交うツバメとセキレイを追い写して撮影の練習をした。
観察は、その場だけで出来るモノではなく、撮影した画像をパソコンで再生し連写した前後の画像を時系列的に分析してこそ面白い自然の世界が見えてくる。
こうして見えてきたヤマセミの世界!鳥類文献や野鳥図鑑ではとうてい計り知れない「知られざる世界」があったのだ。人間以上に熱く激しい男女(もちろんオスとメス)の関係、巷のマスコミ・メディアなど目くじらを立てて非難しそうな親子のスパルタ式体罰教育、隣人を愛せよなど・・などと云う習慣は微塵も無い驚異の縄張り争い・・・などなど。抱腹絶倒のオスとメスの掛け合いなど、まるでこちらが観察している事を知っていて、ウケを狙っているのではないかと錯覚するような行為の数々。
大自然の理に適ったヤマセミの行動の一つ一つを視て「ヤマセミの振り見て、我が振り直せ!」を真面目に考えようと思い始めた今日この頃。